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秀島由己男展 キービジュアル
EXHIBITION

秀島由己男展 ダークファンタジー/ミステリアス

水俣が生んだ異才

2026.4.18[土] — 6.21[日] 熊本市現代美術館 ギャラリーⅠ・Ⅱ

生きるために描いた日々、独学で極めた技術、唯一無二であることへの追究。
熊本県水俣市出身の画家・版画家、秀島由己男の創作世界を紹介します。

公式アンバサダー

亀山真依(RKKアナウンサー)
秀島由己男展 公式アンバサダー

亀山 真依

RKKアナウンサー

秀島由己男さんの作品は、その世界観の奥に、秀島さんの人生にまつわるさまざまな物語が息づいているように感じます。
私自身、同じ熊本にゆかりを持つ者として、秀島さんという人物への理解を深めながら、私なりの視点でその魅力をお伝えしていければと思います。

会場構成

秀島由己男の創作活動は、様々な才能との出会い、模索と挑戦を通じて発展していきました。

8つの章から作品世界を紐解きます。

CHAPTER 01

はじまり -水俣

1934年、秀島は、水俣に住む貧しい家庭に生まれ、身体も小さく、ひとりで絵を描いたり、川や海で釣りをしたり、近所の女の子たちと人形遊びをするような幼少期を過ごしました。中学卒業後、経済状況から高校への進学は望めず、映画館に続いて米屋に就職するものの馴染めず、16歳で無職となった時に、美術教師の長野勇が無料で行っていた画塾に通いはじめ、水彩画を学びます。ここで石牟礼道子に出会い、生涯にわたって姉と慕うようになります。その後、長野の計らいで母校での事務補助職員に就職し、校長の許可をもらって勤務時間の合間にペン画を描く生活が始まりました。1953年、19歳の時に第1回熊本県水彩画展に《静物》を出品、最高賞に選ばれました。この時期は、画業の礎の時期にあたりますが、生涯を通じて取り組む静物画、風景画、肖像画、「口をたてに大きく開けた人物像」のモチーフがすでに表れています。

CHAPTER 02

霊歌、彼岸花、蝶紋(1960後半-70年代)

1966年、32歳の時、初個展「第1回秀島由己男個展―ペンに依る黒の歌-」で画家としてデビューします。ペン画の作品の売れ行きは好調で、継続的に個展が開催されることが決まり、注目の若手作家として認められます。翌年、浜田知明からエッチングプレス機を譲り受け、銅版画を試みるようになります。また、1960年代後半からは、テンペラと油彩の混合技法による静物画や風景画を描き始めます。1970年代は、有縁の一流の表現者たちと、次々にコラボレーションを手掛けます。浜田知明と共に挿絵を担当した土方定一の童話集『カレバラス国に名高き かの物語』、石牟礼道子との詩画集『彼岸花』、歌人の安永蕗子との歌画集『蝶紋』を出版しました。詩画集『彼岸花』は、国内美術館でのグループ展のみならず、国際的なアートフェアなどにも出品されました。また、フィンランドやイタリアの美術館でのグループ展参加も経験し、日本を代表する作家のひとりとしての地位を獲得します。

CHAPTER 03

静物考(1980年代)

1984年、秀島は50歳の時、南天子画廊の薦めで、東京・新宿にあった旧瀧口修造邸に移り住みます。東京では、当時の国内一流の画廊との出会いや、優秀な刷師との出会いに感謝したようですが、社交の場を好まず、作家の言うところには「東京の空気になじめず」、3年足らずで熊本に戻り、1987年から山鹿市に居を構えます。東京生活での重要な仕事のひとつは、詩人の高橋睦郎との詩画集「静物考」です。この時期、秀島の静物画は洗練を極めます。また、1989年、55歳の時に、土方定一を追悼する版画集「舊訳聖書『詩篇』より」を発表しましたが、この作品集に掲載された聖書の言葉を撰文したのも高橋睦郎でした。この言葉はそのまま秀島の各作品名となっています。

CHAPTER 04

われらにさきかけてきたりしもの、風の舟(1990年代)

1991年、秀島は57歳の時、オランダ・ベルギーの美術館を巡る研修旅行に同行し、初めての海外旅行を経験します。この体験は秀島を大いに刺激し、のちの1995年、個展でベルギーのブルージュなどの風景を主題とした新作が発表されました。それらの作品を見た高橋睦郎からの誘いを期に、詩画集「われらにさきかけてきたりしもの」が発表されます。また、この時期に秀島は、水俣の風景画や親しい人々の肖像画を、熊日での自伝の連載「風の舟」の挿絵として発表しました。この試みは、石牟礼道子の新聞小説の挿絵「春の城」シリーズへと繋がっていきます。

CHAPTER 05

前向きな未完と加筆(2000-2010年代)

2000年代から逝去するまでの秀島は、色彩に満ちた、テンペラや油彩を重ねた混合画法による絵画作品を多く手がけました。また、カラー写真の上に直接細密描写で作画したり、写真をコラージュしたり、過去の作品に加筆するなど、様々な手法で実験的な作品を制作しました。この時期は、秀島の言葉によると「この世のものでもない、あの世のものでもない」を表現すること、例えば玉子などのオブジェが自然に透明な状態で存在するような状態を描くことと、変化(変身、変貌)の状態を描くことを好んでいた傾向があります。秀島は、逝去の直前まで、石牟礼道子との共作のシリーズ作品を制作しており、未完のままとなりました。石牟礼の詩のための小さな挿絵として描かれましたが、すべて、緑色の霧の空間に、主題を輪郭線なしでぼかして描くスフマート技法が試されています。

CHAPTER 06

創作の舞台裏

秀島は、2018年に急逝し、すべては未整理のままで残されました。2020年から5年間、当館のアドバイスと和水町との共同作業のもと作品調査を進めてきました。未発表作品の発見にも驚かされましたが、最も大きな成果は、秀島の創作の舞台裏に関する様々な資料を発見したことでした。最も重要な資料の発見は、写真です。1970年以降、秀島は制作の資料として写真を用い始めました。秀島自らがモデルとしてポーズを取った写真がいくつもあり、照れた表情がチャーミングな40歳頃の秀島が記録されています。その他、果物や魚や花などの生鮮品や、笊、籠、テーブル、照明で陰影を演出したオブジェなどが撮影されています。いくつかのプリント写真の裏側には、透かして輪郭を線描した跡が残っており、それをさらに原版に写したことが分かります。1970年代半ばより秀島の作品制作に写真が深く関係してきたという発見によって、1990年代からはフォトグラビュール(写真製版)をベースにした原版にエッチングを加筆した版画作品を制作したこと、そして2000年代の最晩年の制作では写真をコラージュしたり、写真の上に直接細密描写で作画したことは、キャリアにおいて自然な流れだったことが明らかになりました。

CHAPTER 07

師や友との交流 -海老原喜之助、浜田知明、石牟礼道子、福島次郎、画家達

調査で発見された美術・工芸コレクションより、交流の深かった作家の作品などを紹介します。画家・海老原喜之助は、版画家・彫刻家の浜田知明とともに秀島が師と仰いだ人物です。コレクションからは、海老原のペンによる着彩デッサン等と、浜田の稀少な代表作2点が発見されました。うち《ボタンB》は、非常に貴重な作品です。画家・境野一之は、第2次海老原美術研究所で指導員を務めるなかで、秀島の才能を見出し浜田知明に紹介しました。秀島のコレクションからは、3点組の豊かな色彩の小品が発見されました。秀島は、熊本の同世代の画家達と広く交流していましたが、海老原門下の梅本妙子や渕田安子とは才能を認め合う友情を深めていました。コレクションからは、梅本と渕田の絵画やデッサンが発見されました。

CHAPTER 08

自己研鑽のための美術・工芸コレクション -西洋古典版画、浮世絵、現代作家

秀島の美術・工芸コレクションは、「勉強が大事ですから」と、自己研鑽のために収集されたもので、生前に特に大事にしていた作品は、銅版画家ジャック・カロと銅版画家ジョヴァンニ・バテッティスタ・ピラネージの作品です。2020年からの調査によって、コレクションから、ゴヤの版画《ロス・カプリチョス》、ホガースの版画《ザ・ベンチ》、ビアズリー《サロメ》一式などが発見されました。どれもすべて美術館が所蔵を望むような名品です。また、多くの浮世絵を収集していましたが、作品の構図や画題への興味を優先したセレクトと思われます。浮世絵への興味は、1964年に秀島の作品と浮世絵との共通点を直感的に示唆した石牟礼道子からの影響もあるでしょう。現代作家のコレクションには、秀島から声をかけて自身の作品と交換で入手したものが含まれます。

展覧会情報

本展では、代表作、未発表作品、制作資料、美術コレクションなどを通して、秀島由己男の画業を多角的に紹介します。

静謐でありながら強い気配を放つ作品群を通じて、作家が追い求めた「唯一無二」の表現をご覧ください。

開催期間
2026年4月18日(土)~6月21日(日)
開館時間
10:00 - 20:00 ※入場は19:30まで
休館日
火曜日 ※ただし、5月5日(火・祝)は開館し、7日(木)は休館
会場
熊本市現代美術館 ギャラリーⅠ・Ⅱ
観覧料
一般 1,500円(1,300円)
シニア(65歳以上) 1,200円(1,000円)
学生(高校生以上) 1,000円(800円)
中学生以下 無料

※各種障害者手帳をご提示の方と付き添いの方1名無料(身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、被爆者健康手帳等)

※( )内は前売/20名以上の団体/電車・バス1日乗車券、JAF会員証、緑のじゅうたんサポーター証/美術館友の会証をご提示の方

※うぇるかむパスポートをご提示の方は無料

※前売り券の販売は4月17日(金)まで

チケット
取り扱い
熊本市現代美術館
セブンイレブン(セブンコード 114-454)
ローソン(Lコード 83473)
RKKのアプリ(または特設サイト)
主催
秀島由己男展実行委員会(熊本市、公益財団法人熊本市美術文化振興財団、RKK熊本放送)、熊本日日新聞社
後援
熊本県、熊本県教育委員会、熊本市教育委員会、熊本県文化協会、熊本県美術家連盟、熊本国際観光コンベンション協会、NHK熊本放送局、J:COM熊本、エフエム熊本、FM791
助成
芸術文化振興基金
特別協力
和水町
EVENT FINISHED

関連イベント(開催終了)

本関連イベントは2026年5月23日(土)に終了しました。
ご来場いただき、誠にありがとうございました。

PREMIUM CONCERT

秀島由己男展開催記念「秀島由己男のせかい」

2026年5月23日(土) 玉名市民会館 大ホール

OPEN / START
13:30 開場 / 14:00 開演 16:00 終演予定
VENUE
玉名市民会館 大ホール 自由席
TICKET
3,000円 秀島由己男展招待券付き

本イベントは終了しました。
チケット販売および抽選券のお渡しは終了しています。

 開催終了しました 

※2026年5月23日(土)の関連イベントは終了しました。
※掲載内容は開催時の記録としてご覧ください。

PART 01

「秀島由己男って!?」トークショー

「秀島由己男って!?」トークショー

「なんで秀島由己男はこんな絵を描いたのか!?」 「なににこだわっていたのか!?」 秀島のダークな!?魅力に迫る!!

GUEST
まさやん(タレント)
冨澤 治子(熊本市現代美術館 学芸員)
MC
亀山 真依(RKKアナウンサー)
 PDF チラシをダウンロード  
PART 02

芸術が交錯する ~魂の共鳴~ 山下牧子リサイタル

メゾソプラノの歌声、朗読、ヴァイオリン、ピアノ。
複数の表現が交錯し、秀島由己男の作品世界に呼応する一夜限りのリサイタル。

 PDF チラシをダウンロード  
山下牧子
山下 牧子 MEZZO SOPRANO
福島絵美
福島 絵美 NARRATION
黒葛原康子
黒葛原 康子 VIOLIN
正源司有加
正源司 有加 PIANO

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